阿麻作品集


「ジオラマの街」
お金があるひとも ないひとだって
みんな
一斉のせ で 口をつぐむ
どうなのよ、どうなってんのよ・・・と


名前が付けられぬまま
もう何十年と 放っぽらかしで
明かりも射せない 隙間から

路地裏で 殴られ血が出て
目から星を出しつつ
表通りへ這うように 出てきた男性が
まるで彗星みたいになって
キーラキラ キ ラキラ・・・よろりよろりと
行き来する

ジオラマの街を照らす 灯にはしゃいだ
やり手おばさんの声のつやは
生娘
とられまいと思う手からも
取って取って・・・中へ引き込んで。


彗星は 今日もこうして一個ずつ 
店先に倒れて、眠りにつく
にぎりこぶし 堅くて冷たそうな握りこぶしが
夢で、寝床をたたく
どうなってんのよ、どうなってしまうのかな・・・と 
誰もが寝顔を 地に臥せたまま


動物園前駅から五分もゆけば
釜ヶ崎の入り口で夜が更ける となり同士






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