阿麻作品集


「水鏡をもとめて」
何の気なしに 帰りは裏通りを
傘片手に 
歩いて どこまでも歩きつづけて
やっと雨に
濡れて黒ずんだ埋立地で
ひとつの 水溜りを手に入れた。

私は 
今日のわたしは 
水鏡に
映され・・・そのまま 魅入る。

水鏡の中では

大うつしの 
やはり わたしの疲れが 
どれも蒼褪めて曇り切った
目を 
皮膚を、まっ白い顔
どこかへ放り投げ出した状態で 
横たわっているのを 見た

水鏡を破って
わたしに飛び掛かる日を
この疲労は 
楽しみにして
いるのかもしれない

生きていけるわ、なんて嘘か本当か
取り留めのないわずかな問題を
抱えきれずに 
私がわたしを滅ぼしおおせたとしても

雨は、ふる。 


裏道でしばらくぼんやぼんやりしていたら
もう誰も傘をさしてなかった

だんだん暑くなってきて
コートを脱いで シャツ一枚で
薄暗い街を
歩いたの 独りで・・・ひとりで家まで。

ジャマな時計も外して、歩いたの。2002/01/21





トップへ
トップへ
戻る
戻る
前へ
前へ
次へ
次へ





女の子お絵かき掲示板ナスカiPhone修理