阿麻作品集


「蝶々」
ラララ
心がふさがって逃げられない
地面にめり込んでいく頭の上から
みすぼらしい花をたくさん手向けられなければ
理解できない事だって 時にある

五線をたどりながら・・・
むさぼる 墜落の挽歌の譜面に表れたのは
髪が、地面を突き抜けた瞬間に
立ちのぼらせた 思いのたけたちが
真っ白い紙の上にピンで悉く留められ
いまやストイックなくらいなだめられた文字の連なりとして
いちど死に、ふたたび生まれ
それぞれの生い立ちを過ぎ越し、満ち潮時には
やがて ぶちまけられて来る言葉たち!

標本の・・・真ん中の蝶が
声を嗄らす、G線上のスピリット。
心がふさがって もう逃げられない
力まかせに ラン!
ラララ、ラララーン

ありったけが溢れ出す・・・声無き声のアリアから。






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