「破壊者」 | リリー・マルレーンを歌いながら やさしく地表を撫で回し続ける、女。 白い指先に 触れられた先から 砂糖菓子のように甘く崩れ去るものは 私たちの息づくところの 手段たる、お馴染みの地理と歴史である。
女は、 磁波の流れにたいし けっして固執することもなく 微笑みすらたたえて 巨大な大陸どもを・・・揺り動かす やがて、 ゆるやかな静止の時がおとずれて 恐らく完全に制覇される。
有史以来、最も鬨(とき)にかなった、細密画のごとき女の触覚と気転によっ て・・・!!!
この世界は彼女にとって まるでたった一枚の うすっぺらい、そう たかが、レコードのようなものなのだ
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